矯正歯科の認定医制度は、矯正歯科全体のレベルアップとそれによる国民の皆さんへの高度で適切な医療の提供を目的としています。矯正歯科の学術団体である日本矯正歯科学会から認定を受けて矯正歯科の認定医になる訳です。これには通常の場合、大学病院などで5年以上の矯正臨床経験が必要で、その他に矯正歯科に関連した論文を含めた審査があります。
  現行の医療制度においては歯科医であれば矯正歯科の標榜は自由であり、看板に矯正歯科と書いてあるからといって必ずしも良質な矯正治療を受けられるとは限りません。そういう意味で認定医制度の利用は矯正治療を受ける際の歯科医師選びの一助になるはずです。

 悪い歯並びや咬み合わせを、正しく噛めるようにして、きれいな歯並びにする歯科治療です。
 現在では食生活の変化により顎の発育が悪くなるため、歯の重なりが出やすく、不正咬合が多くなってきています。
 不正咬合をそのままにしておくと、虫歯になりやすくなったり、食べ物がよく噛めないため消化不良を起こしやすくなったり、体や心の健康や発育にまで悪い影響を与えてしまいます。
 また、矯正治療をすることにより、自分の容姿に自信が持てるようになり、すてきな笑顔をつくれるようになることも重要なことの一つです。

 ■叢生(八重歯、乱杭歯)
ほとんどの場合、歯と比べて土台の骨の方が小さいことが原因で起きるでこぼこな歯ならびです。8歳くらいの比較的早い時期に土台の骨を大きくする治療を開始すれば、そのあと歯を抜かないできれいな歯並ぴにできる場合が多いようです。
治療前 治療中 治療後

 上顎前突(出っ歯)
 上の前歯が飛ぴ出しているかみ合わせです。前歯の傾斜や、上下のあごの骨の前後的なバランスに問題がある場合が多いです。その状態により歯の向きを変えたり、上下のあごの成長バランスを整えたりしますので、8歳ころからの治療が最適です。写真のように治療後には口元もすっきりさせることができます。
治療前 治療後
治療前 治療後

 ■反対咬合(受けロ)
 前歯のかみ合わせが反対で、上あごと比べて下あごが出ているかみ合わせです。治療に最な時期は7、8歳で、前歯が永久歯にはえ変わった頃です。写真のように数カ月の治療、かみ合わせとともに積顔のバランスも改善されます。あごの骨に問題がある揚合には、前歯の位置が正常になってからもあごの成長コントロールや観察が必要で、長期間の治療になることが多いです。大人で上下のあごのズレが大きい場合には、外科手術を併用する外科矯正の適用になることもあります。
治療前 治療後
治療前 治療後

 ■開咬
 指しゃぶりや舌突出癖などが原困で、上下的に歯がかみ合わないかみ合わせです。早めに悪習慣を取り除くことが大切です。また、アドノイドやその他の耳鼻疾患と関係して、あごの骨の成長に問題をおこす場合もあるので耳鼻科医師との連携が必要なこともあります。
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